この人、ナニモノ?
旅・道中記

「萬國道中膝栗毛」の畔蒜ジョージさんって、ナニモノ?
— ひとり弥次喜多で、日本という萬國を歩いてきた人

書いた人:みつば

4人目にご紹介するのは、旅ブログ「畔蒜ジョージの萬國道中膝栗毛(ばんこくどうちゅうひざくりげ)」の畔蒜ジョージさんです。白状しますと、出会いはブログ名の二度見からでした。萬國、道中、膝栗毛。この三つの言葉が並んでいるのを見て、読まずにいられる人がいるでしょうか。私には無理でした。

「畔蒜ジョージの萬國道中膝栗毛」のスクリーンショット
「畔蒜ジョージの萬國道中膝栗毛」(abiru-journey.com)
畔蒜ジョージさんのアイコン
お名前
畔蒜ジョージさん
ブログ
畔蒜ジョージの萬國道中膝栗毛
URL
abiru-journey.com
ジャンル
旅・道中記(個人誌からブログへ)
ひとことで
「旅とは移動ではなく観察、を地で行く人」

まず、タイトルの話をさせてください

「膝栗毛」とは、自分の膝を栗毛の馬に見立てて、てくてく歩いて旅をすること。江戸時代の大ベストセラー「東海道中膝栗毛」で、弥次さん喜多さんが江戸から伊勢まで珍道中を繰り広げた、あの言葉です。それに「萬國」——つまり世界中、と冠してあるわけです。

てっきり世界一周の話かと思いきや、ご本人いわく、弥次喜多のような身軽さで、ただし一人で、「日本という小さな萬國」を歩こうという——半分は冗談、半分は本気の名づけなのだそうです。大仰な看板を掲げておいて、中身は徒歩と観察。このバランス感覚に、私はすっかりやられてしまいました。

畔蒜ジョージさんって、どんな人?

ブログには「私のこと」というプロフィールページがあります。「自己紹介」でも「運営者情報」でもなく、「私のこと」。この距離感がもう良いのですが、中身はさらに良いんです。本名は譲二さん。子どもの頃に「ジョージ」と書かれた野球帽をかぶっていたのがそのまま筆名になったそうで、「横文字に憧れたわけではなく、書きやすかっただけ」とのこと。昭和32年、千葉県木更津のお生まれ。お父さまは地方紙の校正係、お母さまは小学校の先生という、家中に活字が散らばるお家で育ったそうです。

出版社で十年、編集者として勤めたのち、「自分が書いた文章を、自分で読んで、退屈だった」という理由で退職。退職金で買ったのが、周遊券と岩波文庫の古事記と黒い革のノート一冊、というのだから筋金入りです。平成元年に個人誌『萬國道中膝栗毛』を創刊し、執筆も写真も組版も発送も、ぜんぶおひとり。それを欠號なく百二十四號まで続けて、このたび道中記がブログへ引っ越してきた、というわけです。

旅とは「移動」ではなく「観察」である。名所を見るのではなく、その土地の生活の端っこに、しばらく身を置くことである。—『萬國道中膝栗毛』創刊號 編輯後記より

旅先では、朝市があれば必ず朝六時に行き、地元の文具店で葉書を一枚買い、駅前の古い喫茶店でモーニングを食べて、銭湯に一度は寄る。……どうです、この解像度。本音を言うと、私はこの「葉書を一枚」のくだりで完全に降参しました。

まずはこの記事から

1
これまでのご購読への御礼と、これからの「畔蒜ジョージの萬國道中膝栗毛」について

長年続けてこられた雑誌での連載から、ブログへ。その経緯と新しい旅立ちへの思いが綴られた、いわば第二章の幕開けです。まずはここから読むと、このブログがぐっと近くなります。

2
伊東は東松原 うなぎのまとい

畔蒜さんといえばグルメ、と言い切ってしまいたいくらいの一本。とにかく美味しそうなんです。空腹時に読むのだけは、おすすめしません。

3
二十年ぶりの木更津は、少しだけ知らない街になっていた

二十年ぶりの帰省を、情緒たっぷりに綴った一本。遠い国の道中記だけでなく、こんなに近くの旅もしみじみ書ける方なんです。

こんな人に読んでほしい

ガイドブック通りの旅にちょっと飽きてしまった人、旅行記は「予定外の出来事」の章からこそ面白くなると思っている人、そして弥次さん喜多さんの旅をどこかで羨ましいと思っていた人。畔蒜さんの道中記と一緒に、布団の中で、知らない町の朝市をてくてく歩いてみてはいかがでしょうか。

「萬國道中膝栗毛」を見に行く

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